◇ 品薄感は解消、むしろ量販店販売数量の前年比減少幅拡大

 農林水産省は11月5日夕、令和6年産米流通情報のまとめサイト「令和6年度(2024)米の流通状況等について」掲出データを更新、公表した。それによると品薄感は完全に解消され、むしろ量販店での販売数量が再び前年同期割れに入っている。

 POSデータに基づく量販店での販売数量は、「8月5日以降伸びが著しい週が3週継続。9月2日以降の週は前年を下回る水準で推移し、10月21日の週は対前年同期▲14%」と指摘。10/7週▲23%、10/14週▲2%と若干盛り返したものの、再び減少局面に入ったことになる。

 流通シェア3割を占める大手卸10社の量販店への販売数量は、10月第4週(10/19~25)で前年同期比▲13%、うち令和6年産米(8社集計)は▲10%だった。前週比だと+8%で、うち令和6年産米は+16%。
 また10月第5週(10/26~11/1)の見込みでは、前年同期比▲12%(うち令和6年産▲1%)、前週比▲2%(うち令和6年産+1%)と、こちらも減少局面が続いている。

10月21日時点で卸売業者などから聴き取った量販店などへの納品状況は以下の通り。

《卸売業者からスーパーへの納品状況》
○ 南海トラフ地震臨時情報の発表とその後の神奈川県西部地震等の影響による買い込み需要により、店頭での欠品や品薄が発生した後、新米の出回りとともに9月に入ってから徐々に解消に向かい、9月下旬には概ね品薄感は解消された。
○ 10月に入って、ほとんどの店頭の棚には定番の精米が並び、ほぼ平常の米売り場となっている。
○ スーパーへの納入は、ほぼ新米(令和6年産米)への切替えが完了している。
○ 品薄時に多くなっていたスーパーからの発注数量は落ち着き、納入数量の制限も解除している。今後も引き続き、スーパーの発注に応じて供給を継続していく。
○ 10月中旬ごろから、一部店舗ではチラシによる特売やセールなどが再開されている。
○ 10月以降、特売を行っても売れ残りが出るなど売れ行きは鈍っており、スーパーでの販売量は昨年同期を下回って推移している。
○ 関西地方でも、店舗の棚に定番アイテムが並んでおり、また、チラシによる特売を再開しているスーパーも出てきたが、9月下旬ころから、スーパーなどでの販売量は大きく減少し、その状況が続いている。

《令和6年産米の仕入状況》
(関東地区)
○ 千葉産、茨城産のあと、北陸、北海道、東北の主産地の銘柄の仕入も本格化しており、家庭用向けは概ね各産地の新米が出揃っている。
○ 新米の仕入については、産地での集荷競争などより調達に苦戦している産地銘柄もあるが、足元では概ね順調に仕入れができている。

(関西地区)
○ 富山産や福井産など北陸の産地の仕入に加え、さらに10月中旬からは西日本の各産地の銘柄の仕入も始まっており、足元の新米の仕入は概ね順調であるが、今後の産地での集荷の状況などを注視している。

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