◇ 築野グループ、グリーン購入大賞「農林水産大臣賞」輝く

 築野グループ㈱(和歌山県かつらぎ町、築野富美社長)はこのほど、グリーン購入大賞の「大賞」と「農林水産大臣賞」に輝いたと発表した(11月28日付)。環境・社会に配慮した製品やサービスを優先的に購入する「グリーン購入」の普及・拡大に取り組む団体を表彰する制度で、主催は「グリーン購入ネットワーク(GPN)」。
 第25回となる今回は、脱炭素社会やサーキュラーエコノミー(資源を効率的・循環的に利用する経済システム)の実現に寄与する取組みがテーマだった。表彰された築野グループの取組み概要は以下の通り。

《題名》
 国内で発生する米ぬかと廃食用油の高度有効利用でサーキュラーエコノミーを実現

《取組み概要》
 築野グループは、国内で発生する米糠と廃食用油を原料として有効利用できる用途を、米油、機能性素材、工業用油脂の分野に広げるとともに、それら製品の市場を拡大することで、サーキュラーエコノミーの実現に貢献。また国内のバイオマス資源を使用することで、二酸化炭素排出削減など環境負荷の低減に結びつけている。

 国産原料で製造できる米油は、米糠・米胚芽を原料として米原油を抽出し、精製工程を経て良質の製品を製造。また機能性素材は、成分の特徴に応じて化粧品や医薬品、飼料などの原料に使用し製品を開発することで、石油由来の製品や輸入への依存度が高い製品の代替として活用している。工業用油脂では、米油を造る過程で発生する非可食部の脂肪酸を利用し、インキや接着剤、潤滑油の原料などに使用する工業用の油を製造している。

《評価のポイント》
 貴重な国産資源である米・米糠の有効活用に長年取り組み、米油、機能性素材、工業油脂など新たな製品を創出。これに加え、廃食油のリサイクル事業化や多様な製品の研究開発で成果をあげていること、消費拡大に向けた啓発の取組みは高く評価できる。また精米工場から安定的な米糠の調達を実践しているほか、環境負荷低減と経済性を両立しており、サーキュラーエコノミーを具体化する優秀事例といえる。

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