◇【TDB情報】11月の「カレーライス物価」最高値更新、野菜値下がりを米価高騰が打ち消す

 帝国データバンクは12月10日、10月の「カレーライス物価」と「カレーライス物価指数」を公表した。それによると10月の「カレーライス物価」は1食371円(前月比+7円高)で、比較可能な平成27年(2015)以降の10年間で7か月連続の最高値更新となった。また300円台は令和5年(2023)8月以降、1年3か月連続。この原因として、「ライス(米)の値上がりが、野菜類を中心とした具材の値下がり効果を打ち消す」恰好と指摘している。

 「カレーライス物価」は、総務省の小売物価統計調査結果から、カレーの調理に必要な原材料や光熱費などの価格(全国平均)にまとめた「カレーライス1食あたりのトータルコスト」を示すもの。10月の「カレーライス物価」の内訳をみると、最も費用が高いのが全体の約6割を占める「カレー具材(肉・野菜)」で、前年同月比+13円の201円だった。輸入牛肉の価格は円安を背景に上昇が続いたものの、ジャガイモ・ニンジン・タマネギ(野菜類)の価格がいずれも年内のピーク時から大幅な値下がりが続き、3か月連続で前月を下回った。
 他方、「ごはん(ライス)」価格142円は、前年同月比+51円、前月比+11円にあたり、過去10年で最高値を更新した。
 このカレーライス物価を基に、令和2年(2020)平均を100としたTDB独自算出の「カレーライス物価指数」をみると、10月は「135.6」。5年間で3割を超える上昇率となった。前年同月比では+20.5%で、1年5か月連続の上昇にあたり、上昇率が20%台となるのは過去10年で初めて。

 総務省の小売物価統計は、毎月1回、全国都市別の公表が基本だが、その約1週間前に、東京都区部のみ先行して公表される。11月の小売物価統計(東京都区部のみ)はすでに公表されていることから、帝国データバンクは11月の「カレーライス物価」を予想している。それによると、「野菜類の価格は落ち着きつつあり、具材は今年4月以来7か月ぶりに1食200円を下回る可能性が高い。他方で米価高騰の勢いに衰えがみられず、1食150円台への到達すら予想される」

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