◇ 12月の全米販DI、現状・見通しとも「50」下回る

 全米販業務部は1月29日、12月分の米販売動向調査結果を公表した。それによると、12月の米販売DIは、3か月前と比べた現状DIが▲14.2ポイントと反落の恰好となり「42.9」、3か月で良否均衡ラインの「50」を再び下回った。3か月後の見通しDIも▲8.6ポイントと続落して「29.6」と大幅に沈んだ。前回調査時(昨年9月)は、令和6年産を入荷した直後であったことから、販売先への供給が復活するなどして現状・DI値が回復。だが今回は逆に、販売が鈍化した時期と重なっていることから、現状・見通しともに悪化。コロナ禍最初期にあたる令和2年(2020)3月調査時の見通しDI「31」より悪く、相当な深刻さがうかがえる結果となった。

 前年同月と比較した現在の米販売量は、「減った」と「やや減った」を合わせると63.3%を占める。
〈主な回答理由〉
△給食・弁当用に供給している取引先から新規取引の提案をもらうが、断っている状況。
△量販店は特売のチラシを見送っており、販売数量で見れば減少。
△米価上昇している中でも販売数量は落ちていない。縁故米や返礼品などの影響が見られず、家庭用米販売が好調である。
△卸間売買が大きく減少している一方、精米販売は堅調で12月単月では前年を上回っている。

 3か月前との比較では、「悪くなっている」と「やや悪くなっている」を合わせた回答数が「良くなっている」と「やや良くなっている」の合計を上回り、DI値は「42.9」となった。
〈主な回答理由〉
△令和6年産米の調達状況から、販売調整を行っている。米穀店への玄米販売が全く出来ない。
△精米販売は主力取引先を中心に堅調に推移している。
△業務用の問合せが多くあるが、新規に取引する米がない。

 3か月先の見通しでは、「やや悪くなる」が43.3%で最も多く、「悪くなる」の30.0%と合わせると7割を超え、DI値は「29.6」となった。
〈主な回答理由〉
△原料調達の見通しが立たず、販売量、販売先を絞らざるを得ない。
△家庭用は終売・計画販売が始まるのではないか。業務用大手は3か月先は数量確保できているが、中小業務用先は数量確保の見通しが立たないのではないか。
△取引先からの要望に対して供給が賄えている状況ではないため、国が対策を講じない限りは、意図的に販売数量は抑制せざるを得ない。

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