◇【TDB情報】2月以降の食品値上げ、前年より「勢い強まる」
2025/2/03/ 12:00
帝国データバンクは1月31日、2月以降の食品値上げの動向を公表した。食品主要195社を対象とした定期調査によるもの。それによると、飲食料品の値上げの勢いは、前年に比べて強まっている。
家庭用を中心とした2月の飲食料品の値上げは1,656品目。値上げ1回あたりの平均値上げ率は、月平均14%。単月の値上げ品目数としては、2か月連続で前年同月を上回った(+30品目、+1.8%)。
食品分野別にみると、冷凍食品やチルド製麺品など「加工食品」(589品目)が最も多かった。「調味料」(357品目)は、たれ製品など液体調味料を中心に値上げ。「菓子」(329品目)では、カップゼリーなど洋菓子のほか、和菓子、シリアル製品などで値上げが目立った。「酒類・飲料」(266品目)では、レギュラーコーヒーや果汁飲料が値上げの対象となった。
令和7年(2025)通年の値上げは累計で8,867品目となり、年間の平均値上げ率は16%に達した。前年に比べて9割超の増加ペースで推移しており、令和7年は春先にかけて前年を上回る大規模な値上げラッシュが発生する見通し。
米のほか、チョコレートの原料となるカカオ豆、コーヒー豆などの高騰も背景に、関連する製品で値上げが続き、3月は2,000品目超、4月は3,000品目を突破し、今後さらに増加すると見ている。
値上げ要因では、前年のトレンドを引き継ぎ、原材料などモノ由来の値上げが多くを占める。一方、人件費や物流費など「サービス」価格上昇の影響を受けた値上げが拡大し、値上げ品目数の押し上げ要因となっている。令和7年の値上げ要因のうち、最も大きいものは「原材料高」(97.6%)で、3年連続で値上げ品目全体の9割を超えた。他方で、トラックドライバーの時間外労働規制などが要因となった輸送コストの上昇分を価格に反映する「物流費」由来の値上げは79.4%を占め、集計開始以降で過去最高となった。最低賃金の引き上げや定期昇給など賃上げによる影響を含む「人件費」由来の値上げも50.9%と、初めて値上げ品目数のうち半数を超えた。「エネルギー」(56.6%)、「円安」(15.2%)由来の値上げ割合は前年を下回った。