◇ 備蓄米放出、3月30日までに「卸」に2,761t供給、地域偏在や流通速度が課題

 3月30日までに落札業者から卸売業者に引き渡した備蓄米の数量が、2,761tであることが分かった。これは、第1~2回入札で落札された21万tのうち、1%程度にとどまる量だ。4月18日、農林水産省が公表した「政府備蓄米の買戻し条件付売渡しの販売数量等の報告結果(3/17~3/30期分)」によるもの。

 この期間に動いた数量は4,071tで、買受者は7者。販売価格は60kgあたり平均21,352円(税抜)であったことから、入札結果に基づく加重平均(21,217円)より若干高い水準だった。
 卸売事業者への販売は13者に対して2,761tで、販売価格は10億3,100万円、60kgあたり22,402円だった。買受金額と販売価格の差額は約1,000円で、農水省は「必要経費だけを上乗せした価格設定で販売された」と見ている。

 卸売業者から中食・外食事業者、小売業者に販売された数量は計461トンで、販売先は145者(中食・外食向け8者、小売向け137者)におよび、60kgあたりの平均販売価格は34,023円だった。農水省は、精米・袋詰めなどの加工費や利益を含む価格で販売されたとして、この価格を「転売目的の価格操作が見られる水準ではない」と評価している。

 販売が行われた地域には偏在があり、大消費地である首都圏・近畿圏に集中する傾向が見られたという。都道府県別の具体的な流通データは営業上の配慮から非公開としているが、初動における地域的な供給バランスの偏りが課題となった。

 今回の販売数量は、既に契約済の14万t(1回目)・7万t(2回目)の合計21万tのうちの一部に過ぎず、物流手配、精米処理、袋詰めなどの段取りの関係で当初の想定よりも流通速度が遅れているようだ。農水省は今後の流通量の増加により、需給調整効果が徐々に出てくるものと期待している。

1】当該期間中の政府備蓄米買受者 7者の内数
 引取数量:4,071実t、買受金額:14億49百万円〔21,352円/60実kg〕

【2】1の買受者から当該期間中に政府備蓄米を買受けた事業者 13事業者
 △卸売事業者:13事業者
  販売数量:2,761実t、販売金額:10億31百万円〔22,402円/60実kg〕
 △中食・外食事業者:なし
 △小売事業者:なし

【3】2の卸売事業者から当該期間中に政府備蓄米を買受けた事業者 145事業者
 販売数量:461実t、販売金額:2億62百万円〔34,023円/60実kg〕

 うち中食・外食事業者への販売 8事業者
   販売数量:35実t、販売金額:19百万円〔32,920円/60実kg〕
 うち小売事業者への販売 137事業者
   販売数量:426実t、販売金額:2億42百万円〔34,114円/60実kg〕

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