◇ 全米販記者会見③総会報告、米の相場・価格の現況
2024/6/14/ 14:30
全米販記者会見の続報。山﨑元裕理事長が、6月11日の総会の報告をするとともに、昨今の米相場の現況に対し所感を述べた。内容は以下の通り。
《総会報告》
〇 総会は基本的に質問もなく内容通りに進みました。1号議案が「昨年度の事業、会計、剰余金の処分案」、 2号議案は「今年度の事業計画案」、3号議案が「今年度の収支予算、役員報酬と経費の負担徴収」、4号議案は「借入金の最高限度」、5議案は「組合員に対する貸付限度額」、6号議案が「役員改選」、7号議案が「退任役員に対する慰労金」です。全て提案通りご承認いただきました。
〇 総会で役員が認められまして、役付については役員の互選となっていますので、総会終了後に理事会を開催し、代表理事と常任理事の選任、それから相談役の委嘱の3議案を諮りました。代表理事に私を選んでいただきまして、私は理事長ということになりました。
副理事長は、㈱むらせの村瀬慶太郎社長、㈱神明の藤尾益雄社長、阪神米穀㈱の田中隆社長、㈱新潟ケンベイの山﨑正敏社長の4名にお願いしたところです。常任監事は、これまで全米販理事でありました鈴木敏家さんにお願いしています。この体制で進んでまいります。
〇 理事長の交代は17年ぶりです。 また、全米販には4つの部門がありますが、6月1日付の辞令で各部の部長も変わっています。例えばそれぞれの部門での業務のやり方について、場合によっては無駄であったこともあるかもしれない、あるいは逆に足りなかったところもあるかもしれないので、引き継ぎながら見直しをかけていきます。それから、今年度は全米販の中期経営計画を作りたいと思っています。これまでは都度都度、今年度のことを考えてやってきました。新しい部長たちに現状を見ていただきつつ、向こう3年間にどう持っていくべきなのか、どうあるべきなのか、ゆっくりで構いませんので考えて下さいということです。
《令和5年産米の相場》
〇 …時間なので、これで終わりでいいですか(笑)? 皆さん相場の話が訊きたいんですよね。ご関心があるのは、令和5年産でしょう。足元は確かに高騰していますが、あくまで「スポット価格」の高騰です。流通の大宗を占める相対価格の方は、さほど上がっていません。スポット価格の高騰というのは、まさに我々…全米販かどうかは別として、流通業者の段階でのやり取り(卸間売買が主体)が高騰しているということです。相場そのものが逆に「気配」に支配されてしまってるなという風に考えています。ちょうど先ほどお話しした、「食料」と「食品」の感覚です。農水省は、在庫率などをもとにして「有時とは認識していません」としています。私もその通りだと思います。そうは言っても、「いやいや売場が縮小されているし、商品もないじゃない」と違和感をお持ちの方はいらっしゃると思うんですけども、あくまでも「食料として」問題ないということです。
〇 一方で、「食品」「嗜好品」としての米は、事実、非常にタイトになっていると思っています。我々はそこで踊らされ、あるいは自ら踊り、しかも拍車をかけている……という見方です。
昨日(6月11日)、総会後の懇親会で話をした方が、先週産地――ある米どころに行ったら、先方から「お前、米ないんだろう、(トラック)2、3台だったらすぐ出すぞ」と言われたというんです。その方は自分で手当てできていたので、「大丈夫だ」と断ったらしいですが、喉から手が出るほど欲しい方もいらっしゃるはずです。これが実態で、その方も「やっぱりそう(ある)なんだ」という話をしていました。
こういうことは、我々は何度も経験しています。顕著な例は平成5年産(1993)。あの時はまさに「有事」で、 米の輸入も始めました。結果的にどうなったかというえば、翌年産はジャブジャブになりました。挙句の果てには、無かったはずの平成5年産も出てきていました。「あれだけ騒いで、なんだったんだ」と。その後も4度ほどは、規模の大小こそあれ、このようなことは繰り返されてきました。ここはやっぱり我々も、おこがましいですが、ユーザーの方々にもちゃんと「食品」としての米、「食料」としての米の違いを伝えていかなければいけないと思っています。
〇 これまた余計なことを言いますが、米価についてはもう少し上げるべきだと思います。ただ、今の上がり方は良くない。産地の方々に(利益が)一切いってないからです。そもそもの、産地からの出発点で米価はもう少し上がっていいと思います。 資材費も燃料も肥料も物流費も上がっていて、生産者が一生懸命に吸収している。だから稲作に魅力がなくなってしまったわけです。うまく経営している方もいますが、少ないです。ほとんどの方は「もう無理」となってしまっている。そんな状況ですので、もう少し米価は上げていかなきゃいけない。だって、お茶碗1杯30~40円ですよ。100円くらい出しましょうよ。物流コストもしっかり支払えるようになれば、物流業界の人手不足だって解消されます。この良い循環にしなければいけないと思います。
〈朝日新聞〉スポット価格が上がった直接の原因はなにか。もう治まりつつあるのか。
〇 スポット価格上昇の理由は、まず令和5年産の品質が良くなかった、網下のものが少なかったことから、低価格帯の米がショートし始めた、そこがきっかけです。低価格帯がないと全体が徐々に上がっていきます。分かりやすいのは、お米屋さん。産地、あるいは明確な仕入れ先としっかり繋がっていないお米屋さんがあったとします。そういう所は、低価格帯から徐々に仕入れが難しくなって、最終的に買えなくなってきます。するとそのお米屋さんが卸していた食堂やラーメン屋さんも、米が仕入れられなくなって、仕方なくスーパーに買いに行く。するとスーパーも「なくなってくるから抑えよう」となってしまうわけです。
〇 今、価格は少し落ち着いています。ただし、怖いのは、今年(令和6年産)の状況です。少し草丈長め、分蘖が少なめの状況。雨も少ないのが心配です。令和6年産の生育が順調かどうかで変わります。これもまた、実際に落ち着いて年産の状況を見ながら動けばいいのですが、「足りなくなるかもしれない」と思って動き始める人がいるので、そうすると「遅れをとっちゃいかん」という人が現れて、実際収穫する前にもうショート感が出始めるわけです。ただ、繰り返しますが「食料」として問題は一切ありません。
〈新潟日報〉一部で米の需要自体、下げ止まったのではないか、あるいは増えたのではないかという話もある。どう捉えているか。
〇 「需要は増えている」と思います。若い方々が今、結構米を食べてくれています。それは国が長いことかけて頑張っていらっしゃった、(米飯)学校給食の効果が出てきていると考えています。東京都でいえば週4.3回、米飯給食になっているかと思います。皆さん小学生の時からほぼ毎日、米を食べているわけです。長い目で見たら、ご飯好きな方々が子どもを持てば、お子さんもご飯を食べて育ちますね。そういう話でいえば、米離れは底を打ったかもしれないと期待しています。
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