◇ 6月の外食売上高、前年比プラスも「実質消費支出は減少傾向」
2024/7/25/ 15:30
(一社)日本フードサービス協会(久志本京子会長)は7月25日、外食産業市場動向調査結果を公表した。それによると、外食産業の6月度売上高は、前年同月比+12.4%と好調だった。前年同月比は31か月連続のプラス。「前年より土曜、日曜それぞれ1日多かったこと」や、「梅雨前線の停滞で全国的に梅雨入りが遅く、雨天日が少なかったことにより街の人出が増え、訪日外国人客の需要も堅調だったこと」などによるもの。しかし、「終わりの見えない物価高騰の中で、値頃感のある商品へ移行する消費者が増え、実質消費支出は減少傾向にある」とも指摘している。業態別売上高の前年同月比増減率は以下の通り。なお、5月度まで公表していた、新型コロナ流行前との比較指標となる「令和元年同月比」は、「新型コロナの5類移行から満1年が経過したため、掲載を終了した」としている。
〈ファストフード〉全体で好調が続き、前年比+11.9%と続伸。「洋風」は、夜間メニューの充実、ランチメニューの値下げなどが貢献し、+10.7%。「和風」は、クーポンやアプリによる集客、新規出店などが奏功し、+12.2%。「麺類」は、新商品や冷たいメニューが好調で、+14.6%となった。「持ち帰り米飯/回転寿司」は、15日の「父の日」に向けたキャンペーンを展開、特に西日本では価格訴求型メニューへの反応が良く、+5.5%となった。「その他」は、「アイスクリーム」の価格割引キャンペーンが好評で、+27.8%。
〈ファミリーレストラン〉全体では+14.7%。「洋風」は、父の日をはじめ週末の客数増に接客要員などを増やして対応し、+14.0%。「和風」は、食べ放題キャンペーンや訪日外客に人気のメニューが貢献し、+16.6%。「中華」は、生ビール割引キャンペーンなどにより、+13.9%。「焼き肉」は、土休日が多い曜日回りと団体客の取り込みで、+14.9%となった。
〈パブ・居酒屋〉「パブ・ビアホール」で雨天の少ない天候が売上を押し上げ、「居酒屋」では訪日外国人客の需要もあり、+6.8%。
〈ディナーレストラン〉人手不足問題は深刻だが、夜間の利用がやや増え、訪日外国人客の底堅い支持と相まって、+11.2%。
〈喫茶〉遅い梅雨入り、SNSを活用した集客、月後半の高気温に対応した冷たいドリンク類の好調などにより、+9.8%。
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