◇「食品表示に関する消費者意向調査」④「文字の大ささ」改善を求める声

 令和5年度(2023)「食品表示に関する消費者意向調査」結果の連載。最終回となる第4回は、「加工食品の原料原産地表示」の理解度を訊く項目と「食品表示への課題と要望」をまとめる。それによると、加工食品の購入時、原料原産地表示を参考にしている人の割合は5割を超えた。一方、原料原産地表示の意味や説明の理解度を問う複数の質問に対し、正しい選択肢を選んだ人の割合はいずれも1割程度。「わからない」を選んだ人が5割近かった。原料原産地への関心はあるものの、制度を正しく理解している人は少ない状況が見てとれる。また、食品表示全般に対しては、「文字の大きさ」の改善を求める声が多かった。

〈加工食品の原料原産地表示〉
△ 加工食品を購入する際、「原料原産地名」の表示を、商品選択のためにどの程度利用しているかを訊く設問。参考にしていると回答した者の割合(「いつも参考にしている」と「ときどき参考にしている」の合計)は53.0%だった。性別で比較すると、女性のほうが参考にしている人の割合が約10ポイント多い。

△ 「加工食品の原料原産地表示制度の対象となる加工食品」の説明として、正しい選択肢である「輸入品を除く全ての加工食品」を選択した割合は11.5%。一方、「わからない」と回答した人が46.6%と半数近くに上った。

 この傾向は、加工食品の原料原産地表示制度の理解度を訊いた他の質問も同様で、「産地が表示される原材料」や「原料原産地名表示」の正しい説明を選ぶ質問の回答率をみると、ともに正しい回答をした人は約1割で、「わからない」と回答した人が約5割だった。

△ 「今後、加工食品の原料原産地表示により詳細な情報を求める場合、事業者負担が増すことから、商品価格が上がることも想定される」としたうえで、「今後の加工食品の原料原産地表示制度をどのようにしてほしいか」訊いたところ、「事業者負担が増加し、商品の価格が上がるのであれば、詳細な情報は必要ない」が37.9%と最も多かった。「事業者負担が増加し、商品の価格が上がっても、表示義務のある原材料を増やしてほしい」が26.7%、「事業者負担が増加し、商品の価格が上がっても、『製造地表示』をなくして使用されている生鮮原料の原産地表示をしてほしい」が19.8%。「事業者負担が増加し、商品の価格が上がっても、『冠表示』をしている特定の原材料には、原料原産地表示を義務付けてほしい」が16.6%だった。

〈現行の食品表示に対する課題と要望〉
△ 加工食品の「食品表示」をより分かりやすく、活用しやすいものにするために必要だと思うものを訊く質問。「今の食品表示のままでよい」が36.0%と最も多く、次いで「情報量を絞り、文字を大きくする」が28.9%だった。「アプリ等を利用し、知りたい情報をすぐ読み取れるようにする」が16.3%、「表示事項をバラバラに複数の面に分けて表示し、文字を大きくする」が10.5%で続いた。

△ 「表示の文字を大きくするために容器包装に掲載する情報をデジタルツールを活用しWEBで情報提供する場合、表示を確認するために利便性の良い方法だと思うもの」を訊く質問。「デジタルツールの活用はしない」が47.9%と最も多かった。次いで「スマートフォン端末でのQRコード等の読み取りや検索」が45.3%、「店舗のレジかごやカートに設置された専用端末での読み取り」が15.5%だった。

△ 「容器包装に十分なスペースがある場合、文字の大きさを大きくした方がよいと思うか」を訊く質問。「重要な事項のみ文字を大きくした方がよい」が35.3%と最も多く、「全ての文字を大きくした方がよい」が30.1%、「現在の大きさがよい」が25.9%、「大きさは変えずに、表示する情報量を増やしてほしい」が8.3%だった。


 このうち、「重要な事項のみ文字を大きくした方がよい」と回答した人に、「文字を大きくした方がよいと思うもの」を訊いたところ、「消費期限又は賞味期限」が65.5%と最も多かった。次いで「保存方法」が42.8%、「原産国」が38.9%、「原材料名」が31.1%で続いた。

〈終〉

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