◇ 9月全POS平均は前年比+1,200円の5㎏3,105円

 9月のうるち精米小売価格(POSデータ)は、全POS取引平均価格(全体の加重平均)で5㎏3,105円だった。8月の5㎏2,656円から+449円(+16.9%)上昇し、ついに3,000円を超えた。前年同月比で見ても、+1,200円(+63.0%)と、急角度の上昇となっている。農林水産省が10月15日、マンスリーレポート10月号のなかで明らかにしたもの。なお今回、農水省は8、9月の2か月分のデータを一挙に公表している。
 それによると、8、9月の小売価格(POSデータ)は、いずれの銘柄も軒並み上昇傾向が続いている。例年、9月の小売価格(POSデータ)は、新米の早生とみられる銘柄が前月比反発、あるいは上昇率を拡大させ、古米とみられる銘柄は前月比反落、あるいは下落率を拡大させる傾向にあるが、今年は全国的に、銘柄問わず上昇し続けている状況だ。
 一方、全POS取引数量は、8月が前月比+1,155t(+30.3%)の4,959tと急増したものの、9月は一転反落し、前月比▲1,846t(▲37.2%)の3,113tとなった。前年同月比でみると、8月は+1,280t(+34.8%)、9月は▲469t(▲13.2%)だった。8月の日向灘沖地震と南海トラフ地震臨時情報、その後の地震や台風などによる買い込み需要とその反動が大きく表れた格好。
 ドラッグストアの全POS取引平均価格は、8月が5㎏2,480円(前月比+328円、前年同月比+776円)、9月が5㎏2,829円(前月比+349円、前年同月比+1,095円)と上昇を続けている。
 また、農林水産省は同じPOSデータに基づきパックごはん(無菌包装米飯)の販売数量も公表しており、8月の販売数量は608精米t(前年同月比+75%)と急増、9月は383精米t(+9%)だった。
 公表した小売価格は、㈱KSP-SPが提供するPOSデータに基づき、農林水産省が5㎏精米袋に換算して加重平均したもの。同データは全国の量販店およそ1,000店舗を網羅しているものの、比較的小規模な店舗が多く、店舗数にも変動があり、タイムラグが生じることもある。こうしたことに留意が必要ではあるが、細かな産地銘柄別の小売価格を知る手段としては唯一の存在となっている。

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