F1
2024/6/09/ 14:31
稲を含む植物品種の「雑種一代」のこと。交配によって作られた新品種の一代目を指す。
日本の稲の場合、様々な事情によってGM(遺伝子組換え)が嫌気されているため、交配による新品種開発が一般的。その際、安定的に狙った特徴が発現するF1が発生するようになると、新品種の完成となる。ただしF1は一代限りでしか、その特徴が持続しない。F2、F3と自家採種を続けていくと、F1とは似ても似つかない品種になってしまう。
F1のように一代限りでしか、その特徴が持続しない品種ではなく、何世代にもわたって自家採種しても特徴が持続する品種のことを「在来種」あるいは「固定種」と呼ぶ。ただし現在、作付けられている主食用うるち稲品種の大半はF1品種。
もっともF1品種の場合、F2になると「必ず」親の特徴を継がないわけではなく、確率的に少ないものの全く同じ特徴を持ったF2が生まれることも、ありえないわけではない。またF1品種であっても偶然、F2以降が安定化してしまう品種というものも存在していて、その代表例がコシヒカリだ(ただしF3以降は不安定)。