苗立枯病

 なえたちがれびょう。「イネ苗立枯病」と表記する場合も。糸状菌による病害の総称。箱育苗の普及によって増加してきた育苗時障害の一つ。汚染した籾が混入していればたちまち感染する。種子消毒を徹底し、事前に育苗箱の洗浄を徹底する以外に防除の方法がない。苗立枯病の原因となる糸状菌は、国内では主に以下の4種。


 フザリウム菌(Fusarium avenaceum Saccardo、Fusarium solani Saccardoなど)では、地際部の葉鞘や根が褐変し、生育不良となって枯死する。籾に白色または淡紅色の菌糸が発生する。


 ピシウム菌(Pythium arrhenomanes Drechsler、Pythium graminicola Subramanian、Pythium spino-sum Sawadaなど)の症状はフザリウム菌と似ているが、褐変がやや淡く、水浸状となる点が異なる。萎凋枯死は急激に起こり、育苗箱内の各所が坪枯れ状に枯れていく。


 リゾープス菌(Rhizopus chinensis Saito、Rhizopus oryzae Went et Geerlingsなど)では、出芽時に床土表面に白色菌糸がパッチ状に現れ、緑化開始時に箱全体が菌糸で覆われる。イネそのものが出芽前に枯れてしまう。

 トリコデルマ菌(Trichoderma viride Link ex Gray)は、リゾープスに次ぐ発育の早さを誇る菌で、床土の乾燥や厚播きなどが原因となって発病。地際部の葉鞘や不完全葉が褐変し、根が短くなる。床土表面や籾に白色の菌糸塊が発生。緑化期以降は青緑色の胞子塊が出来る。

 ほかにも、リゾクトニア菌、白絹病菌による苗立枯病もある。

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