農業競争力強化支援法

 のうぎょうきょうそうりょくきょうかしえんほう。平成29年(2017)5月19日公布、8月1日施行。農林水産省の専用サイトでは、以下の通り説明されている。
 ――農業が将来にわたって持続的に発展していくためには、農業の構造改革を推進することと併せて、「良質で低廉な農業資材の供給」や「農産物流通等の合理化」といった、農業者の努力では解決できない構造的な問題を解決していくことが重要です。このため、本法律では、国の責務や国の講ずべき施策等を定めるとともに、農業資材事業や農産物流通・加工事業の事業再編等を促進するための措置を講ずること等により、農業者による農業の競争力の強化の取組を支援し、農業や農業生産関連事業の健全な発展に寄与することを目的としています。
 この事業再編または事業参入を行おうとする農業生産関連事業者は、事業再編計画または事業参入計画を策定し、主務大臣の認定を受けることができる。認定を受けた事業者には、以下の支援措置を適用する(事業者に事業再編・参入を強制するものではない)。
《金融措置》
 △日本政策金融公庫の長期・低利資金の融資
 △民間金融機関からの融資に対する債務保証(中小企業基盤整備機構)
 △海外金融機関からの融資に対する債務保証(日本政策金融公庫)
《手続特例》
 △事業譲渡時の債権者のみなし同意
 令和6年(2024)6月現在までに、認定された事業参入計画は2件、事業再編計画は38件ある。このうち米穀関連で認定された事業再編計画は以下の通り。

計画概要支援措置認定日
中橋商事㈱施設の再編による
製造・出荷体制の効率化
設備投資に係る割増償却
日本政策金融公庫による
低利融資
平成30年(2018)
2月9日
㈱銀しゃり新工場の設立や
製造ラインの効率化による
米飯製造の高付加価値化
生産性向上
設備投資に係る割増償却
A-FIVE
(㈱農林漁業成長産業化
支援機構)
からの出資
平成30年(2018)
10月23日
花咲ふくい農協施設・設備の再編による
作業の合理化
米の品質向上
設備投資に係る割増償却
日本政策金融公庫による
低利融資
平成30年(2018)
12月4日
阪神米穀㈱精米工場などの譲受
設備の再編による
生産体制の合理化
米の品質向上
登録免許税の軽減
設備投資に係る割増償却
平成31年(2019)
2月27日
㈱マルモ青木味噌醤油醸造場
千日みそ㈱
製造体制の合理化
新商品の開発
FSSC22000に対応した
工場・設備の整備など
による販路拡大
国産米の調達量の増加
日本政策金融公庫による
低利融資
登録免許税の軽減
設備投資に係る割増償却
令和2年(2020)
8月28日
㈱名古屋食糧炊飯製造設備の集約
冷凍施設の導入による
食品事業部の販売機能の強化
生産者の販売機会の確保
日本政策金融公庫による
低利融資
令和5年(2023)
4月20日

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