◇ 令和6年 防災食品市場、前年比+21.4%の261億円を見込む、富士経済調べ

 防災食品の令和6年(2024)国内市場が、前年比+21.4%となる261億円に拡大する見込みであることが分かった。㈱富士経済(東京都中央区、菊地弘幸社長)が、11月21日に公表した市場調査結果で明らかにしたもの。

 今年は1月の能登半島地震、8月の宮崎県日向灘を震源とする地震の発生で、防災意識が一層高まっている。特に、南海トラフ地震臨時情報の発表で、防災食品の需要が急速に高まった。それにより欠品が相次ぎ、納期遅延の対応に追われるメーカーも多くみられる。今後も自然災害やパンデミックなどの発生を機に防災備蓄への関心は高まるとみられる。

 ○ 用途別では、業務用が市場の7割ほどを占める。自治体は保存水+主食(アルファ化米または乾パン)という選択が根強いが、パンやレトルト食品など調理に水がなくても食べられる食品へシフトする動きがみられる。また、企業では、通常の食事に近いメニューが選ばれやすく、惣菜類や汁物・スープ類などの需要が他チャネルと比較して高い。介護施設・老人ホームは来年4月からBCP策定が義務付けられており来年前半の駆け込み需要が期待される。だが業務用は既にある程度の備蓄が完了していることから、切替需要は定期的に発生するものの、突発的な需要増などは小幅になっていくとみられる。
 ○ 市販用は、需要の波が激しいが、新たに備蓄を始める人が増える中、販売店舗を探す必要がなく商品や価格を比較しやすいネットでの購入が主流となっている。試食機会が限られることから、レビューなどを参考にしているユーザーが多い。また卸による防災用品のアソート商品に防災食品が組み込まれることも多い。今年は大規模な震災が続き防災用品のエントリーユーザーが急激に増加しており、アソート商品が好調なことも、市場の押し上げに寄与するとみられる。

ごはん彩々

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