◇【TDB情報】来春にかけ食品値上げラッシュ再燃の見通し

 帝国データバンクは11月29日、今年12月と来年以降の食品値上げ見通しを公表した。食品主要195社を対象とした定期調査によるもの。それによると、来春にかけて「値上げラッシュ」再燃する見通しとしている。
 今年12月の値上げは、パックごはんやレトルトパウチ食品など109品目で、年内で最も少ない水準だった。令和6年(2024)通年の値上げ品目数は累計で1万2,520品目、年間の平均値上げ率は17%。10月こそ年内最大およそ2,900品目の値上げが実施されたものの、年間を通じて値上げは抑制された恰好で、前年比6割減の水準となった。
 ところが来年1月には、1年半ぶりとなるパン製品の一斉値上げに伴い、単月として3か月ぶりに1,000品目を超える値上げが見込まれ、来春にかけて断続的な値上げラッシュが再燃する見通しとなった。令和7年(2025)は、1月以外にも2月・4月にすでに900品目超の値上げが予定されており、ともに単月で1,000品目を超える可能性が高い。現段階で予定されている令和7年(2025)飲食料品の値上げは3,933品目を数え、前年同時期に公表した令和6年(2024)の値上げ品目見通し(1,596品目)を大幅に上回った。
 来年の値上げ要因では、今年に続き「原材料高」(94.6%)などモノ由来の要因が多数を占める一方、サービス面のコスト上昇を要因とした値上げ傾向が顕著にみられる。なかでも、トラックドライバーの時間外労働規制などが要因となった輸送コストの上昇分を価格へ転嫁する「物流費」由来の値上げは89.9%を占め、「原材料高」との差は4.7ポイントに縮小した。「人件費」は47.9%と令和6年(2024)通年の26.5%から大幅に上昇し、最低賃金引き上げなどの影響を受けた賃上げを要因とする姿勢も目立った。

ごはん彩々

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