◇ 日本農業遺産に播磨・六甲の「山田錦生産システム」ら4地域
2025/1/24/ 15:00
農林水産省は1月24日、令和6年度(2024)日本農業遺産の認定地域を発表した。日本の特徴的・伝統的な農林水産業を営む地域を認定する制度。昨年12月24日に行った世界農業遺産等専門家会議の評価を踏まえ、以下の4地域を新たに認定した。2月28日には、農林水産省講堂で認定賞授与式を行う運び。次回募集は、令和8年(2026)を予定している。
△兵庫県北播磨・六甲山北部(きたはりま・ろっこうさんほくぶ)地域〈三木市、加東市、小野市、加西市、西脇市、多可町、神戸市、三田市、猪名川町〉
【兵庫の酒米「山田錦」生産システム】
酒米の品種特性や気候風土に適応した栽培技術や、酒米産地と酒造家が結びつき相互扶助する「村米制度」が継承されるとともに、酒米を代表する品種「山田錦」の厳格な種苗管理が行われ、高品質な酒米の一大産地として発展した。
△兵庫県朝来(あさご)地域〈朝来市〉
【岩津ねぎを核とした資源循環型農業システム =伝統種子の継承と地域連携による里地里山保全=】
伝統野菜である「岩津ねぎ」を含む野菜、水稲、但馬牛を中心とする経営と、稲わらや牛ふん堆肥等を活用する資源循環型農業により、貴重な生物多様性が育まれている。
△徳島県県南(けんなん)地域〈阿南市、美波町、牟岐町、海陽町〉
【みなみ阿波の樵木林業システム -照葉樹林に育まれた里山、里海の物語-】
樹種を問わず特定の太さ以上の木のみを択伐する「樵木林業」により、薪炭や菌床用原木等の生産を行いながら、照葉樹林の維持や生態系の保全、土砂災害の防止等に貢献している。
△沖縄県多良間(たらま)地域〈多良間村〉
【琉球王国時代の「抱護(ポーグ)」が育む多良間島の持続的島嶼農業システム】
平坦で資源に恵まれない孤島において、「抱護(ポーグ)」と呼ばれる林帯等を造成し強風を防ぐとともに、耕畜連携による有機資源の循環利用により、厳しい環境での農業生産や社会生活の維持を可能としてきた。