◇【TDB情報】12月の「カレーライス物価」最高値更新、ライス150円を突破
2025/2/12/ 10:30
帝国データバンクは2月10日、12月の「カレーライス物価」と「カレーライス物価指数」を公表した。それによると12月の「カレーライス物価」は1食386円(前月比+9円)で、比較可能な平成27年(2015)以降の10年間で9か月連続の最高値更新となった。また300円台は令和5年(2023)8月以降、1年5か月連続。前年同月比+67円(+21.0%)は、平成27年以降では最大の値上がり幅となった。この一因として、「米価の高止まりで『ごはん(ライス)』の値上がりが大きく影響した」と指摘している。
「カレーライス物価」は、総務省の小売物価統計調査結果から、カレーの調理に必要な原材料や光熱費などの価格(全国平均)にまとめた「カレーライス1食あたりのトータルコスト」を示すもの。
12月の「カレーライス物価」の内訳をみると、最も費用が高いのが全体の約5割を占める「カレー具材(肉・野菜)」で、前年同月比+8円の206円だった。輸入牛肉の価格が円安による上昇が続いたことに加え、ジャガイモ・ニンジン・タマネギ(野菜類)が大幅な値上がり基調に転じたことで、5か月ぶりに前月を上回った。
他方、「ごはん(ライス)」価格151円は、前年同月比+58円、前月比+2円にあたり、過去10年で初めて150円を突破、最高値を更新した。
このカレーライス物価を基に、令和2年(2020)平均を100としたTDB独自算出の「カレーライス物価指数」をみると、12月は「140.8」。初めて140台に到達し、5年間で4割にせまる上昇率となった。前年同月比では+20.9%で、1年7か月連続の上昇となった。


この「ごはん(ライス)」価格の定義について、前月まで「コシヒカリ、1食:200g換算」だったものの、今回から「コシヒカリ、1食:約1合(炊飯前重量)」に、しれっと変わっている。前月までの「200g」は、炊飯前の数字なら1食にしては多く、炊飯後では少なく、また、そもそも小売物価統計との乖離があったことから、変更したと見られる。
総務省の小売物価統計は、毎月1回、全国都市別の公表が基本だが、その約1週間前に、東京都区部のみ先行して公表される。12月の小売物価統計(東京都区部のみ)はすでに公表されていることから、帝国データバンクは1月の「カレーライス物価」を予想している。それによると、「米価では、令和6年産(新米)を中心に店頭価格ベースで値上がりの勢いは鈍化傾向もみられるものの、当面は値下がりの可能性が低く、1食あたり150円台での推移」すると予想。「1食390円を超える見通しで、調査開始以降で初の400円台に到達する可能性がある」としている。
