◇ 日本公庫令和6年下期「食品産業動向調査」④ 環境配慮進展も「コスト高」課題

 日本公庫(㈱日本政策金融公庫)が3月6日に公表した「食品産業動向調査」の続報。

5.環境に配慮した取組みについて

5-1.環境に配慮した取組みの実施状況

 環境に配慮した取組みを最も実施している業種は小売業で、調達段階は6割強、製造・流通段階は7割弱に達する。また業種を問わず、調達段階よりも製造・流通段階のほうが環境に配慮した取組みは進展していることが分かった。

5-2.環境に配慮した取組みの内容

 その内容を具体的に見ていくと「食品ロス削減・食品リサイクル」が圧倒的で、特に飲食業では約8割を占める(3つまで回答可)。次いで「脱プラスチック・容器包装リサイクル」「地球温暖化対策」の割合も高く、前者は小売業で多く見られた回答だ。

5-3.環境に配慮した取組みを実施する理由

 なぜ環境に配慮した取組みを実施するのかを訊くと「経営理念」が5割超を占め、「取引先・消費者からの要望」「CSR活動を通じた企業イメージの向上」も3割強となった(複数回答)。また、「商品の差別化(高付加価値)による販売拡大」(26.5%)という販売戦略面での動機も窺える。

5-4.環境に配慮した取組みを実施しない理由

 逆に環境に配慮した取組みを実施しない理由も訊いてみると、「コストが高く、売価に転嫁できない」(46.3%)が最も高く、次いで「売上や利益の改善につながらない」(37.4%)/「取引先・消費者からの要望がない」(26.7%)/「原材料の安定調達が見込めない」(25.4%)――など、従前から指摘されている問題がいまだ山積していることが浮き彫りとなった。

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