◇ FOODEX出展紹介①函館米穀、相馬屋、木徳神糧
2025/3/11/ 17:30
(一社)日本能率協会(東京都港区、中村正己会長)らが主催する「FOODEX JAPAN 2025(第50回 国際食品・飲料展)」が3月11~14日、東京・江東区の東京ビッグサイトで開かれている。本紙では米穀関連のブースを中心に紹介する。
【函館米穀㈱】(北海道函館市)ななつぼし・ふっくりんこ・ゆめぴりかの精米3アイテムを展示。平成26年(2014)に初めて香港に輸出して以降、十数か国まで顧客が広がった同社にとって、FOODEXは各国の既存顧客らと情報交換ができる貴重な場だ。

【㈱相馬屋】(福島県いわき市)会津コシヒカリ/Iwaki Laiki(いわきコシ)/福笑い(福、笑い)/おいしいご飯炊きあがりました(国産米ブレンド商品)/ふくふくご飯(県産米ブレンド商品)――のパックご飯5アイテムをアピール。同社は令和5年(2023)10月、楢葉町にパックご飯の工場を竣工し、自社生産を行っている。今回は海外バイヤーが多く来場するなか、「福島の米や食品を〝packed rice〟としてポジティブにアピールしたい」と語る。
パックご飯は国内の関係者からも注目度が高い。同社はPBで(県外産)主要銘柄のパックご飯を製造している実績もあり、OEMへの問い合わせも増えているという。ちなみに、原料米は顧客が用意するだけではなく、ロット次第で同社が対応することも可能だそうだ。
また、同社とスポンサー契約を結ぶバドミントン・パリ五輪代表の大堀彩選手(写真左)が駆けつけ、佐藤守利社長(右)とブースを盛り上げた。

【木徳神糧㈱】(東京都千代田区)海外事業部がタイのゴールデンフェニックスブランドブースに加え、昨年から取り組みを開始したパキスタンのバスマティライスについてもブースを設置。
まず、同社海外事業部の看板商品であるタイ香り米は既に一定の地位を獲得しているが、今後のさらなる拡大に向けて、同社は一部業務用ユーザーから挙がる「炊飯方法やコンタミなどがネック」という声に対応していく必要性を認識しているようだ。また、昨今の物価高が続くと「コロナ禍のように内食に回帰する動きが出てくるのではないか」とも想定。例えばガパオライスやパッタイなどのメニュー提案を通じた惣菜へのアプローチを検討していくとともに、「今後は冷凍米飯の可能性も探っていきたい」と、タイ香り米を深化させる方針だ。一方、段階的に進めてきている値上げについては「それ自体での大きな影響は出ていない」としつつも、「外国産米に限らず米全体が値上がりしていることもあり、特に業務用で米の使用量を減らす動きが一部ある」と懸念を示した。
また、昨年から新たに取り組み始めたパキスタン産バスマティライスには手応えを感じており、今年はさらなる拡大を図る方針だ。提携するパキスタン最大手の精米輸出業者ガリブソンズ社が展開するプレミアムブランド商品「ムガル(Mughal)」は印パ国境のパンジャーブ地方で生産されており、その長い粒形が特徴の一つ。ビリヤニやカレーなどのエスニック料理と相性が良いという。「今年は大阪・関西万博を始めエスニック料理が注目を集める機会があると見て、営業に力を入れていきたい」としており、一般消費者向けの200g商品はカルディやライフ、クイーンズ伊勢丹、オオゼキなどでも販売されている。


