◇ 備蓄米放出めぐる農相・全米販らとの意見交換、地域や業態で「供給ばらつき」指摘
2025/4/14/ 18:00
4月14日に江藤農相と全米販、各小売団体と行った意見交換の続報。会合自体は「非公開」だったものの、農林水産省は同日夕刻に「記者ブリーフィング」を実施。農産局企画課の武田裕紀課長が内容の一部を明らかにした。
それによると、備蓄米放出をめぐり、卸・小売双方から、地域や業態により供給状況にばらつきがあると指摘する声が相次いだ。特に、米穀店や地方・中小規模のスーパーでは、備蓄米の仕入れや店頭展開が十分に進んでいない状況が報告された。
この要因として、既存取引先を中心とした供給体制や、備蓄米の転売防止策(玄米取引の制限など)によって流通が複雑化し、新規取引先への供給が進みにくい点があると指摘。加えて倉庫の多くが東日本に集中していることから、西日本への供給が物流面で難しいことも課題とされた。備蓄米の転売防止策に関しては、卸売業者間の販売が制限されており、商慣習との乖離があるとの批判もあった。
これらを踏まえ、卸売業者が調整役を担う形で供給の円滑化を図る提案や、地域の米穀店向けの柔軟な対応を求める意見が寄せられた。さらに備蓄米供給の継続的実施や、持続可能な価格水準を検討するよう求める声があがったほか、情報発信体制や問い合わせ窓口の整備に関する要望もあがった。
米価の高止まり解消については、時間を要するとの認識が共有された。即効性ある具体策を示す場面はなかったものの、今後も継続的な対応が必要との意見が多数を占めた。
農林水産省は今回あがった意見を踏まえ、4月に実施する第3回入札に向けて、可能な限り改善点に対応する方針を明らかにしている。時間的制約などで対応が難しい場合は、第4回以降に検討する考え。さらに必要に応じて、再度意見交換を開催する可能性にも言及した。
