◇ 備蓄米の条件付売渡入札、第3回から参加集荷業者の間口拡大か 江藤農相「また卸と話したい」=大臣会見

 政府備蓄米をめぐり、江藤拓農相は4月15日の閣議後定例会見で、前日開いた全米販・小売団体との意見交換会を「非常に内容のある会だった」「卸(全米販)から『こうしてほしい』という具体的な話が何点かあり、私も『なるほどな』という気づきがあった。これまでの商取引の慣習に関わることなので、省内で慎重に検討した上でまた卸と話したい」などと振り返り、今後も意見交換の場を設ける意向を示した。
 また、「23~25日あたり」としている備蓄米の第3回条件付き売渡入札に関し、「実は入札資格審査をもう一回やろうかなと思っている」と明かした上で、「入札資格者の数が増える=枝葉が増えるのだから、参加集荷業者の数が増えれば隅々まで備蓄米を行き渡らせるのに一定の効果があるのではないか」との期待感を示した。

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 まず江藤農相は、前日の会合の開催意図について「第1~2回入札を受け、卸・小売は備蓄米を店頭に並べられるよう努力しているので、率直にお礼を申し上げた。その上で、国の財産である備蓄米を放出し、それを扱うのは通常の商取引とは若干異なる。しかし、なぜ我々がそういった決断に至ったのかを各流通段階にご理解いただき、政策実現のために協力してくれ――とまでは商取引をしている方々に言わないが、国の意図と私の心情をご理解いただきたいと申し上げた」などと説明。

 意見交換では、卸から「日ごろ集荷業者と取引のない卸も存在するので、第3回入札以降は彼らにも米が行き渡るよう集荷業者に働きかけてほしい」「仮に備蓄米を卸に直接販売すれば、多くの卸が入札に参加することで逆に価格が高騰する恐れがあり、適切ではない」などの意見があったと紹介した。
 また小売のうち、中小(地方)スーパーマーケットなどからは「備蓄米が全く入手できない。仮に店頭に並べられても4月末や5月になる」という不満の声もあったといい、江藤農相は備蓄倉庫の偏在に伴う輸送などを課題として挙げた。
 さらに、いわゆる〝町のお米屋さん〟にあたる米穀小売店の団体(日米連・東米商)からは、「備蓄米は入ってきていないし、入ってくる見込みも無い」という悲鳴まで。これについて江藤農相は「学校や病院(向け)も厳しいという現状を訊いた。やはり我々も、放出した備蓄米が町のお米屋さんを含め均等に行き渡るための工夫をしなくてはならない」と対応する意思を示した。

 このほか、トランプ政権がコメの市場開放圧力を強めている報道について問われると、「オフィシャルに政府間でオーダーが来たわけではないので、日本の農水大臣として反応することはない」と明言し、「コメについて具体的にどうこうという考えはないし、我々はガット・ウルグアイラウンド交渉の下で、国際約束として1㎏あたり341円という従量税を課している。これはWTOルール上問題ない、ということは言っておきたい」とするに留めた。

全米販全国米穀販売事業共済協同組合)出席者
△山﨑元裕理事長
△藤尾益雄副理事長(㈱神明社長)
△塩沢均理事(ベイクックコーポレーション㈱社長)
△浜辺宣昭氏(エバーグリーン㈱社長)
△横尾信浩氏(㈱アグリック社長)

《小売団体》
△日本米穀商連合会
△東京都米穀小売商業組合
△(一社)日本スーパーマーケット協会
△(一社)全国スーパーマーケット協会
△オール日本スーパーマーケット協会
△日本チェーンストア協会

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