◇ 政府備蓄米に江藤農相「集荷業者が利益乗せてないこと明らかになった」=大臣会見
2025/4/18/ 10:20
江藤拓農相は4月18日の閣議後定例会見で、政府備蓄米の流通状況を一部公表した(詳細はこちら)。
3月17~30日に引取があった集荷業者分の平均買受価格は21,352円(60㎏・税抜)/卸への販売価格は22,402円(同)で、その差額は1,050円。江藤農相は「集荷業者は運送経費のみを上乗せして利益を乗せていないということが、数字の上でも明らかになった」と語った。
また、条件付き売渡入札の参加資格が集荷業者に限定されていることについては、「卸に直接出すべきだという意見があることは聞き及んでいるが、意見交換会では『大量の米を全国により早く効率的に運ぶには現行の仕組みが合理的』という意見が全てで、『卸に出してほしい』という意見は皆無だった。卸自身からも『約600社いる卸のうち数百社でも参加すれば価格高騰が予想される』という声をもらっている」と改めて説明。玄米の卸間売買を条件付で可能とする要領改正によって偏在の早期解消を目指す意向を示した。
江藤農相は量販店頭の高止まりについて問われれると、「価格に直接コミットするつもりはない。価格は市場で決まる」としつつ、「様々な評価はあると思うが、実際、私も週2回は都内スーパーを回るようにしている。4月10日の時点で(備蓄米とおぼしき)ブレンド米を見つけて『早いな』と思ったし、5㎏3,400円程度のブレンド米も見つけた。(単一銘柄の価格についても)例えば卸がもともと持っている高いコシと備蓄米の安いコシを混ぜれば従来よりも価格を下げて出すことができる」と一定の効果を強調した。
一方、「だが、東北に備蓄倉庫が集中しているため、そこから遠い九州や離島であれば備蓄米を全く見ないということがあるだろうし、3~4月は人事異動の季節なのでトラックの手配が難しかったという事情も聞いている。だから全てがスムーズだったと申し上げるつもりはない」とし、「集荷→卸→小売という既存の流通経路ではない、例えばこれまで卸と全く取引のない業者が『分けてくれ』と連絡しても、『いやお宅には回せない』となるのは当然だ。だからこそ、今回緩和した卸間売買によって卸の扱える守備範囲が広がれば、今まで以上に備蓄米を流通させるための体制が整うのではないか。これは(4月14日の)意見交換で『こうすればもっとうまくやれる』と業者(全米販)からいただいた示唆だ」と語った。
