◇ 紅麹事件続報、機能性表示食品検討会で報告書案、被害情報報告を義務化へ

 小林製薬㈱(大阪府大阪市、小林章浩社長)による紅麹事件の続報。消費者庁は5月23日、新設した「機能性表示食品を巡る検討会」(中川丈久座長=神戸大学教授)の最終・第6回会合を開き、報告書(案)を議論。大幅な修正なく、修文の座長一任をとりつけて閉会している。来週を目処に報告書を確定、公表の運びだ。報告書の柱は以下の3点。

《健康被害情報の収集と行政への報告義務》
 届出者に対し、対象事案と、提供(報告)期限などをルール化し、「法的義務として行うことが適当」と提言。提供義務の対象は、医師の診断を受け、因果関係が否定できないとされた健康被害情報とする。
 ただし、「診断」との言葉が重すぎるとの指摘もあり、この表現は変わる可能性がある。また他にも、「消費者庁が、医師や薬剤師、管理栄養士などからの情報を収集できる仕組み」が「必要との意見があった」点も盛り込む。

《品質管理》
 「サプリメント形状の機能性表示食品について、GMP(適正製造規範)に基づく製造および品質管理を行うことを、販売期間中における法的義務とすることが適当」と提言。
 また、「機能性関与成分を含む原材料についても、最終製造者が原材料の受け入れ段階で当該成分全体の同等性・同質性の考えを基本として対応するべき」と提言。
 ただし「原材料」に関する箇所は、表現にエクスキューズが付いたため、修文の可能性がある。

《(消費者への)情報伝達のあり方》
 医薬品ではないこと、トクホ(特定保健用食品)ではないこと、機能性表示食品であることの識別性があることなどに向け「改善が必要である」と提言。また、「過剰摂取や、相互作用などについての注意喚起など安全性上の留意事項を具体的に記載するよう改善が必要」と提言する。

 報告書案をめぐって委員からは、以下の〝注文〟もあがった。
 ○ 機機能性表示食品への規制や要件を厳格化しすぎると、「いわゆる健康食品」に戻ってしまい、消費者の選択肢を狭めることになりかねない点に注意が必要。機能性表示食品の信頼性を高めつつ、実効性ある対応にすべき。
 ○ 消費者教育だけでなく、「事業者の情報伝達のあり方」についても改善を促すべき。届出内容を超えるような広告をしないなど促す必要がある。事業者の責任も明記すべきだ。

 第6回会合では、消費者庁が調査結果を報告した。今回の紅麹「事件」を受けて去る3月28日、既存の機能性表示食品6,795製品の届出者1,693事業者に対し、健康被害情報の収集・評価・報告を確認。その結果、健康被害情報は82件認められた(去る4月18日に147件と公表したものの、その後精査した結果、82件となった)。内訳は、サプリ形状75件、その他加工食品7件。このそれぞれの内容に対する専門家の評価結果が、今回の報告だ。
 それによると、健康被害と機能性表示食品との「因果関係が『確実』と評価される事案」は皆無で、「ガイドラインに従って速やかに消費者庁に報告すべき事案と判断できる事案」も皆無だったとしている。
 しかし、「機能性表示食品制度の見直し検討のなかで、届出者が判断を迷わずに行政機関に情報提供を行えるよう、提供すべき事案、提供期限など提供ルールを明確化する観点から必要な見直しを行い、届出者が収集した健康被害に関する情報を行政機関が早期に把握し健康被害の拡大防止を図る仕組みを構築することを検討することとする」とまとめており、これが今回の検討会報告書の考え方にも反映されている。

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