◇ 元気寿司決算説明会で藤尾会長兼社長、スポット米価高騰「令和6年産も続くのでは」

 神明グループの元気寿司㈱(栃木県宇都宮市、藤尾益雄会長兼社長)は5月28日、都内で令和6年(2024)3月期決算説明会を開催した。このなかで藤尾会長兼社長は、令和7年(2025)3月期の見通しで、営業利益を50億円(前期比+1.7%)を見込んだものの、米や鮪などの原材料の高騰により約7億24百万円の損失影響を受けると説明。「令和5年産は新潟を中心に全国的に非常に出来が悪かった。特に新潟は1等米がほとんどなく、不足感によってスポット価格が急激に高騰している。この流れは令和6年産も続くのではないかと考えている」とした。
 また、既報の大規模生産法人の経営ができる新規就農者の育成をめざす㈱神明アグリイノベーション(埼玉県加須市、互泰行社長)の取組みに触れ、「生産者と繋がり、安定的な仕入れを行っていく」と米の供給面の強みをアピール。「生産者の再生産価格を超える価格で契約し、安定的な価格で、安定的に調達することで経営リスクを軽減できる」との見解を示した。

藤尾会長兼社長

〈令和6年(2024)3月期業績〉
 総体は、当初想定の計画を達成し、増収大幅増益。国内事業は、既存店の稼働率向上で客数が増加したほか、定番品の売価変更、メニューミックスの改善により売上増、4期ぶりの黒字転換に繋がった。TV番組や時流に合わせたSNSなどでのマーケティング戦略も奏功した。
 海外事業は、現地通貨ベースで堅調に推移したことに加え、円安効果で増収増益。世界の売上1位店舗はアメリカ・ハワイのパールリッジ店の10億51百万円だが、上位20位のうち半数以上を香港が占めている(国内トップの魚べい渋谷道玄坂店は、9位で6億36百万円)。戦略的出退店も進めており、中国では景況感悪化もあり2店舗減、逆に香港は7店舗増となった。
 
〈中期経営計画〉
 令和8年(2026)3月期までの中期経営計画で目標としていた営業利益26億円は、令和6年3月期で達成(49億円)。このことから、新しい中期経営計画を策定する予定。「ステークホルダーに夢と希望を与え、従業員がモチベーションを高くできるような中期経営計画をめざす」としている。その骨子となる成長ドライバーには、「グローバル展開」と「M&Aなどのノンオーガニック成長」を掲げる。
 また、農水産物が調達できる神明グループの強みを使い、「日本の素晴らしい食材を使った『ほんまもん』の日本食を提供していく」とした。

〈令和7年(2025)3月期決算見通し〉
 寿司業態を中心とした店舗出店、リブランディングによる販促効果と積極的な訴求で、既存店売上高の増加、新業態のローンチで売上高増を見込む。営業利益は、米の不作などによる原材料の確保困難・価格高騰を予想するほか、人件費の増加などで約18億円の損失影響を受けるものの、ロス削減や店舗配送効率化によるコスト削減を行い、前期を上回る営業利益(+1.7%)を予測する。重点施策には「グローバル戦略」を掲げ、ベトナム、タイで1店舗ずつ開店するほか、ハワイでMENSHO(ラーメン)2店舗開店。アメリカ本土やインドなどのグローバルサウスなどへの進出に向けた調査を実施する。また企業文化の改革、人財開発も推し進め、ジョブローテーションを展開するほか、業績に合わせた決算賞与の導入などを行うとしている。

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