◇ 紅麹事件の引責で小林製薬が社長交代、しかし拭えぬ創業家一族の影響力
2024/7/24/ 14:00
小林製薬㈱(大阪府大阪市)は7月23日、社長交代を発表した。紅麹事件の引責。だが創業家一族の影響力が完全に消滅したとは言い難い交代劇となっている。
外部の弁護士らによって構成された事実検証委員会がとりまとめた「調査報告書」を踏まえ、同日の取締役会で決議したのが、今回の社長交代劇の内容。まず小林一雅代表取締役会長が辞任し、特別顧問に就いた(7月23日付)。次に小林章浩代表取締役社長も辞任するものの、取締役 補償担当に残る(8月8日付)。最後に代表取締役社長には、山根聡専務取締役サステナビリティ経営本部長が就く(8月8日付)。この3氏は、「調査報告書」のなかで「経営責任は重い」と糾弾されている。これを受けて、現在の小林章浩社長が役員報酬月額の50%を自主返上、現在の山根聡専務も40%を自主返上する。対象期間は今年1~6月の6か月間。小林一雅特別顧問の役員報酬には特段触れていない。
〈関連死亡者数〉厚生労働省は7月21日付で、これまで「257人」としていた関連死亡事例を、「279人」に小幅上方修正した。「小林製薬に申出があったもの」との但し書きは変えていない。
小林製薬が長期にわたって「5人」としていた関連死者数は、6月27日になって「可能性のある76事例」が浮上(既報)。これを受けて厚生労働省は、6月30日現在「175人」(既報)、7月7日現在「233人」(既報)、7月14日現在「257人」(既報)と毎週上方修正してきた。
なお7月21日現在の受診者数は延べ2,274人(うち腎疾患1,689人)、入院治療者は延べ461人(うち腎疾患300人)となっている。
〈自主回収(リコール)〉7月19日午後6時30分現在で、厚生労働省の専用サイトの「紅麹に関する届出された食品のリコール情報(小林製薬関連に限る)」に追加掲載されたのは、以下の1社。これで累計102社に達した。⇒㈱サンクウェル