◇ ケンミン食品、「ミッキーマウス」顔型ライスヌードルの「誕生秘話」
2024/8/09/ 12:00
ケンミン食品㈱(兵庫県神戸市、高村祐輝社長)は8月8日、既報の「ミッキーマウス」顔型ライスヌードルの「誕生秘話」を公開した。
これまで、ミッキーマウス型断面や、早ゆでパスタの歯車型、風車型形状の小麦の麺はあるものの、断面が丸形状以外の特殊な形状を持った押出製法による米麺は他ではなかったという。ケンミン食品は、この理由を「米麺の押出加工の難易度が高く、他社では再現することが難かったから」と説明している。商品の麺の太さは1.7~1.8㎜程度。この米麺を完成させるまでには、「様々な苦労があった」とか。
【開発の経緯】
△令和2年(2020)10月
グルテンフリーラーメンの開発に着手し、まだ世の中にない、よりラーメンらしいライスラーメンを追究していた。
現在に至る「GF RAMEN LAB GF中華麺」は、ビーフン業界では当たり前である丸い孔の空いたダイスを使用した押出製法で、麺の形状は丸麺だった。
一方、ラーメンなど切出し麺は麺帯を切刃で切り出しているため、麺の形状(断面)は丸ではなく四角い麺であることに気づいた。
△令和3年(2021)5月
さらなる改善をめざして取り掛かったのが、これまでの常識から外れた、四角い孔のダイスの開発。
四角い孔のダイスを作ることができれば、「四角い麺を押し出すことができるのではないか」という仮説を立て、0.1mm単位で精巧な孔を空けることができる金属加工の会社を調査した。
素晴らしい技術を持った企業に行きつくことができ、見事に意図した設計でダイスを製作することができた。
△令和4(2022)3月
うどんやラーメンなど、小麦の麺を食べたくても食べられなかった子どもたちが初めて食べることができる商品になればと考え、ミッキーマウスの孔の形状のダイスの設計から取り掛かった。
当時はミッキーの顔型のような深い切れ込みのある形状は意図した形状に成形することは不可能といわれていた。
これは、ビーフンの押出では麺が膨張して押し出されることにより、麺の断面のミッキーマウスの耳の根元のような凹形状は膨張により谷部分が浅くなるため、ダイス孔の形状通りには押し出されないため。
その既成概念を打ち破るべく、金型形状によってビーフンの断面形状がどのように変化するのか試験を繰り返し、設計ノウハウの蓄積につとめ、試行錯誤した結果、断面がミッキーの顔型の米麺を完成させることに成功した。
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