◇ 国内23例目、ユネスコ無形文化遺産に日本の「伝統的酒造り」
2024/12/06/ 09:00
ユネスコ(国連教育科学文化機関)の無形文化遺産に、日本の「伝統的酒造り」の登録が決まった。12月5日、文化庁が明らかにしたもの。国内23例目にあたる。平成25年(2013)には「和食」が登録されている。
「伝統的な酒造り」は、日本酒造組合中央会(大倉治彦会長=月桂冠㈱社長)らが登録に向けた取組みを行っていた。公表を受け、以下の通りコメントしている。
○ 國酒(日本酒、本格焼酎・泡盛、本味醂)を醸す日本の伝統的な麹菌を使った酒造り技術が、ユネスコ無形文化遺産に登録されたことを当会会員一同大変喜ばしくまた誇らしく思っております。ここに至るまで登録にご尽力いただきました日本政府及び関係機関ならびに関係者の皆様方に感謝申し上げます。
○ 日本各地の蔵元にはそれぞれ歴史があり、長い年月の中で、各地で磨き発展させた酒造りの技によって國酒が造られてきました。それは、地域の祭礼や年中行事に欠かせないものであり、四季折々生活習慣や食文化に合わせて楽しまれてきました。私どもは國酒を知ることは日本の伝統文化に触れることだと思っています。
○「伝統的酒造り」は、古くは各地の杜氏集団によって継承されてきましたが、近年では、国税局、酒類総合研究所や公設試験研究機関の支援を受け、各都道府県酒造組合(連合会)を中心に技術の研鑽に努めています。これからも、次の世代へ確実に継承と発展を図ってまいります。
○ また、私どもは、このユネスコ無形文化遺産登録を機に、「伝統的酒造り」を支える地域社会の絆、自然環境への配慮、生活文化における役割に改めて思いを致し、関係者と協力して、国民の皆様に國酒の魅力をあらためて認識していただくとともに、海外の皆様に一層知っていただくための各種事業を国内外で実施してまいります。そして、麹菌と人の技によって醸される國酒が、内外の皆様に愛され世界の食文化の多様性に大きく貢献することを願っています。