多面的機能

 ためんてききのう。正確には農業・農村の多面的機能。出荷販売物としての農産物以外に、その生産活動によって農業・農村から生み出される有形・無形の価値のこと。
 農業生産活動そのものへの助成に大義名分を与える必要性から、当初は緩やかな「思想」にすぎなかったが、平成13年(2001)に日本学術会議から得られた答申に基づき、定義された。当時の貨幣価値で、総額8兆2,226億円にのぼる年間価値が、以下の通り試算されている。
 △洪水防止機能3兆4,988億円
 △河川流況安定機能1兆4,633億円
 △地下水涵養機能537億円
 △土壌侵食(流出)防止機能3,318億円
 △土砂崩壊防止機能4,782億円
 △有機性廃棄物分解機能123億円
 △気候緩和機能87億円
 △保健休養・やすらぎ機能2兆3,758億円
 これに基づき、多面的機能を維持するための活動に対し、「多面的機能支払交付金」が交付されている。

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