◇ フィリピンとの二国間クレジット制度で「水田メタン削減」方法論、農業分野で世界初
2024/6/27/ 16:10
パートナー国と協力してGHG(温室効果ガス)排出削減・吸収を促進し、両国でクレジットを獲得する制度、二国間クレジット制度(JCM:Joint Crediting Mechanism)。6月25日、日本政府とフィリピン政府で構成するJCM合同委員会の麾下、有識者委員会において、農業分野で世界初となる「水田メタン削減」に関する方法論が了承された。6月27日に農林水産省が開いた「記者勉強会」で明らかにしたもの。
この方法論は、日本でかねてから行われている「間断灌漑」を活用したもので、「水田からの落水は原則として地表15㎝以下とすること」などといった条件を課す。現地農家への過剰負担をなくし、生産性との両立を図るため、基本作業は「水門の開閉のみ」とし、実証実験では、メタン排出量35%削減(二酸化炭素換算で1haあたり3.4t減)、収量は22%増を達成している。
今後、JCM合同委員会の了承のもと、両国の企業がプロジェクトを登録。日本の企業が資金・技術を提供し、早ければ、来月から方法論の実践が開始される。併せてベトナムでの方法論の検討も進めており、この広がりにより「アジアでのGHG削減へのインパクトは大きい」と農水省は説明している。
現在、フィリピンでは民間企業がこぞって水田メタン削減の実証事業を行っている。㈱クボタ、クレアトゥラ㈱、東京ガス㈱の3社合同プロジェクトでは、今年5月までに1,300haの水田、600軒の農家を対象に実施。Green Carbon㈱はフィリピンのaraneta財閥と組み、3万haの水田でプロジェクトを進めるとしている。
6月28日には農水省主催で「アジア開発銀行(ADB)拠出事業による水田メタン削減に関するJCMを活用したフィリピン方法論案の公表に係る記者発表」を開催。方法論の概説のほか、既に取組みを始めている企業による事例発表などを行う予定。
【二国間クレジット制度の仕組み】
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