◇ 外食産業市場規模、2年連続で前年比2ケタ増もコロナ禍前には至らず

 JF(《一社》日本フードサービス協会、久志本京子会長)は 9月13日、令和4年(2022)・令和5年(2023)の推計・外食産業市場規模を公表した。それによると、インバウンド市場の盛り上がりなどを背景に、2年連続で前年比2ケタプラスと好調だった。コロナ禍からの回復が進んでいるものの、令和5年の市場規模はコロナ禍前の令和元年(2019)比で▲8.1%と、完全回復には至っていない。

◎令和4年(2022)1月~12月
 コロナ禍3年目となる令和4年の推計・外食産業市場規模は、コロナの影響で2年連続で大きく減少した令和3年(2021)比+18.0%の20兆970億円(税込)。2月に始まったロシアのウクライナ侵攻などによる物価高の影響によりメニュー単価が上昇したことや、3月以降に「まん延防止等重点措置」による営業制限が解除されたことで、持ち直し基調となった。市場規模は各部門ごとの推計値は、以下の通り。

《給食主体部門》全体の85.3%を占め、前年比+14.9%の17兆1,410億円。
〈営業給食〉「給食主体部門」のうち、飲食店、宿泊施設などの「営業給食」の市場規模は、全体の70.4%を占め、前年比18.3%の14兆1,520億円。
△「飲食店」は、前年比+14.5%の11兆9,140億円。内訳は、ファミリーレストランや一般食堂、専門料理店などを含む「食堂・レストラン」(前年比+16.7%)、立ち食いそば・うどん店を含む「そば・うどん店」(+16.0%)、回転寿司を含む「すし店」(+6.4%)、ファーストフードのハンバーガー店、お好み焼き店を含む「その他の飲食店」(+10.3%)はいずれも増加した。
△ホテル、旅館での食事・宴会などの「宿泊施設」は、国内旅行やインバウンド観光の再開などで宿泊客が増加し、前年比+45.3%。
〈集団給食〉全体の14.9%を占め、前年比+1.0%の2兆9,890億円。
△「学校給食」(主として小学校、中学校等の給食で、大学の学生食堂は含まない)は、給食実施数の減少傾向などで前年比▲0.7%。
△「事業所給食」は、メニュー単価の上昇傾向や、テレワークからオフィスワークへ回帰する動きが始まり、「社員食堂等給食」は+3.2%、「弁当給食」は+2.7%。
△「病院給食」は、入院時食事療養費が減少し、前年比▲1.4%。
△「保育所給食」は、給食費の上昇傾向などから、前年比+0.1%。

《料飲主体部門》
 全体の14.7%を占め、前年比+40.5%の2兆9,560億円。「まん延防止等重点措置」などによる「酒類提供の制限」が解除されたことで、売上は持ち直し傾向となった。
〈喫茶店〉前年比+18.6%の9,922億円。
〈居酒屋・ビヤホール等〉は、前年比+48.0%の6,636億円。
〈料亭・バー等〉前年比+58.6%の1兆3,002億円。

◎令和5年(2023)1月~12月
 コロナ禍4年目の令和5年の推計・外食産業市場規模は、2年連続して前年を上回り、+20.2%の24兆1,512億円。5月に新型コロナ感染症の感染症法上の位置づけが「5類」に変わり、コロナによる行動制限が解除されたことで人流が回復したこと、物価高を背景にメニューの価格改定が継続したこと、また4月に入国規制などの水際対策が終了し、インバウンド需要が回復したことなどによるもの。一方、コロナ禍前の令和元年(2019)比では▲8.1%だった。各部門ごとの推計値は以下の通り。

《給食主体部門》全体の84.0%を占め、前年比+18.3%の20兆2,893億円。
〈営業給食〉全体の70.8%を占め、前年比+20.9%の17兆1,052億円。
△「飲食店」は、前年比+18.6%の14兆1,313億円。内訳は、ファミリーレストランや一般食堂、専門料理店などを含む「食堂・レストラン」(前年比+19.4%)、立ち食いそば・うどん店を含む「そば・うどん店」(+25.4%)、回転寿司を含む「すし店」(+15.6%)、ファーストフードのハンバーガー店、お好み焼き店を含む「その他の飲食店」(+12.4%)はいずれも増加した。
△ホテル、旅館での食事・宴会などの「宿泊施設」は、宿泊客の増加やインバウンド需要の回復などで、前年比+30.9%。
〈集団給食〉全体の13.1%を占め、+6.2%の3兆1,741億円。
△学校給食(主として小学校、中学校等の給食で、大学の学生食堂は含まない。)給食実施数は減少したものの、給食費が上昇したため、前年比+4.0%。
△事業所給食 メニュー単価の上昇傾向や、雇用者数の増加傾向、テレワークからオフィスワークへ回帰する動きなどから「社員食堂等給食」は+10.6%、「弁当給食」は+9.5%。
△病院給食 入院時食事療養費が増加し、前年比+2.8%。
△保育所給食 在所者数の減少傾向から前年比▲0.7%。

《料飲主体部門》全体の16.0%を占め、+31.0%の3兆8,719億円。宴会需要なども中小規模のものから少しずつ戻り、持ち直し傾向が続いた。
△「喫茶店」 前年比+19.9%の1兆1,892億円。
△「居酒屋・ビヤホール等」 前年比+37.9%の9,152億円

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