穎花

 えいか。イネの花のこと。正確には花ではなく「包葉」。本来「穎花」とは、4種類ある「穎」のうちの一つにすぎない。だが「穎」全体を指して「穎花」と呼ぶことが多いため、「イネの花」という説明になってしまう。
 イネの場合、幼穂形成期(幼穂分化期)に、後に穂のもとになる「幼穂」や「穎」が分化していく。前述したように「穎」には以下の4種類がある。
 ①「外穎」……花を持たず、最下節につく(または『第1包類』とも)
 ②「内穎」……外穎の内側の節につき、同じく花をもたない(または『第2包類』とも)
 ③「外桴」……内穎のさらに内側の節につき、葉腋部分に小花をもつ(または『外花類』とも)
 ③「内桴」……小花の基部につく(または『内花類』とも)
 外穎と内穎は1つの小穂に1枚ずつしかならないが、外桴と内桴は小花ごと、それを包む形でなる。つまり外桴と内桴は、小花の数だけなる。この小花が、正確には「穎花」。おしべ、めしべ、鱗被を備える。おしべの袋から花粉が出て、めしべについて受粉すると「穎」全体が閉じられ、実(後の穂→米)が成長を始める。「穎」のなかに穂を孕むので、この時期を「穂ばらみ期」という。

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