◇ 11月の外食売上高、インバウンドに支えられ前年比+10.5%と堅調続く

 (一社)日本フードサービス協会(久志本京子会長)は12月25日、外食産業市場動向調査結果を公表した。それによると、外食産業の11月度売上高は、前年同月比+10.5%と堅調を維持した。前年同月比は36か月連続のプラス。「ファストフードやファミリーレストランを中心に各社キャンペーンが好調」だったほか、「引き続き好調な訪日外客数にも支えられた」と説明。加えて、「ようやく気温が下がったことで鍋など温かいメニューの注文も増え、また飲酒業態は休前日の多い曜日周りがプラスとなったほか、宴会需要が好調で、大きめの宴会の件数も緩やかに回復した」と分析している。

 〈ファストフード〉売上高の前年同月比は+11.2%。「洋風」はリニューアル商品の好評や、11月29日の「いい肉の日」や、月末のブラックフライデーのクーポンが好調で、+10.8%。「和風」は季節の定番メニューや高単価好調で客単価が上昇し、+12.6%。「麺類」は気温が低下し温かい季節メニューが好評だったことや、アルコール類も好調で、+18.3%。「持ち帰り米飯/回転寿司」は、価格改定などの客単価上昇もあり、+4.1%。「その他」は「カレー」でSNS映えを意識した高単価商品が好評、「アイスクリーム」ではキャラクターとのコラボキャンペーンにより、+10.2%となった。
 〈ファミリーレストラン〉総体で+10.7%。「洋風」は、高単価のコースメニューの導入で客単価上昇したところがある一方、価格を抑えた業態も引き続き好調で、+11.2%。「和風」は、鍋料理など温かいものが売れ始め、また宴会需要も増えて、+12.0%。「中華」は海鮮フェアが好調だったところや、継続した各種キャンペーンの好調などで、+11.0%。「焼き肉」は、消費者が価格に敏感な傾向を反映してか、割引セールが好評なところもあり、+6.5%となった。
 〈パブ・居酒屋〉忘年会シーズンに向けて月後半を中心に宴会需要が好調、件数も増えたほか徐々に宴会の規模も大きくなってきているほか、インバウンド需要が好調なところや、休前日の多い曜日周りもあり、+6.9%となった。
 〈ディナーレストラン〉引き続き堅調なインバウンド需要をはじめ、コロナ禍前には及ばないものの、夜間の宴会需要も少しずつ回復しており、+6.3%となった。
 〈喫茶〉これまでの断続的な価格改定も消費者に受け入れられ、客数、客単価とも上がり、またアルコール類を提供するところは予約が好調なところもあり、+8.3%となった。

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