◇【TDB情報】令和7年の食品値上げ「累計1万品目」突破、前年より4か月早

 帝国データバンクは2月28日、3月以降の食品値上げの動向を公表した。食品主要195社を対象とした定期調査によるもの。それによると、今年の値上げ累計品目数は1万品目を突破、前年より4か月早いペースとなっている。

 家庭用を中心とした3月の飲食料品の値上げは2,343品目。値上げ1回あたりの平均値上げ率は、月平均17%。単月の値上げ品目数としては、3か月連続で前年同月を上回った(+1,576品目、+205.5%)。単月として2,000品目を超えるのは、5か月ぶり。

 食品分野別にみると、冷凍食品やチルド製麺品など「加工食品」(1,381品目)が最も多かった。「酒類・飲料」(534品目)は、ジュースなどの清涼飲料水や果汁飲料で値上げが多くみられた。「乳製品」(284品目)は、チーズやヨーグルトなど発酵製品が中心となった。

 令和7年(2025)通年の値上げは、8月までの公表分で累計で1万797品目となり、年間で1万品目を突破するのは、調査開始以降4年連続となる。昨年の値上げ予定品目で1万品目到達が判明したのは「6月」だったのに比べ、今年は「2月」と、前年より4か月早いペースとなった。
 年間の平均値上げ率は16%。食品分野別ではスパイス製品など「調味料」が最も多い3,240品目で、冷凍食品やパックごはんなど「加工食品」(2,947品目)、ボトル飲料など「酒類・飲料」(2,077品目)が続いた。

 値上げ要因では、原材料などモノ由来の値上げが多くを占める一方で、人件費や物流費など「サービス」価格上昇の影響を受けた値上げが拡大した。今年の値上げ要因のうち、最も大きいものは「原材料高」(98.0%)で、過去最高値を更新。他方で、トラックドライバーの時間外労働規制などが要因となった輸送コストの上昇分を価格に反映する「物流費」由来の値上げは80.9%を占め、集計開始以降で初めて8割に達した。最低賃金の引き上げや定期昇給など賃上げによる影響を含む「人件費」由来の値上げも43.5%を占めた。

  足元では1ドル150円前後の円安水準が長期化し、輸入食材などで値上げ圧力が高まりつつあるほか、国内調達の原材料でも米をはじめとした生鮮食材の価格が上昇している。原材料以外にもプラ容器など包装資材を含めたモノ由来の値上げや、物流費や人件費などサービス由来のコスト、原油や電気・ガス代など「エネルギー」を要因とした値上げの割合も上昇傾向が続いている。こうしたなか、各種生産コストの上昇分を企業努力によるコスト吸収で補いきれずに利益が減少するケースも発生しており、販売価格への転嫁が避けられない情勢となっている。小売現場では消費者の値上げに対する拒絶反応から販売数量の減少といった影響もみられるものの、今年の値上げ動向は全体的に値上げの動きが低位に抑えられた前年に比べ、今夏にかけて断続的な値上げラッシュの発生が見込まれる。

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