◇「世界のアスリートをめぐる食のトレンドセミナー」カルローズメニュー提案

 USAライス連合会は6月28日、栄養士とスポーツ栄養に興味のある人を対象に開いた「世界のアスリートをめぐる食のトレンドセミナー」の開催レポートを公開した。去る6月8日に、スポーツと食を軸にコンサルティングを行う㈱Food Connection(東京都新宿区、橋本玲子代表)との共催で開いたもの。
 セミナーのテーマは「アスリートのエネルギー不足の現状と各国の取組み」。海外で活躍するスポーツ栄養士3名が、各々が拠点とする国・文化圏での課題や対策など、アスリート食の”いま”を伝えた。USAライス連合会は、カリフォルニア産中粒種カルローズを使ったアスリート向けメニューの調理デモと試食で、パワージャーライスサラダスパイシーチキン炊き込みご飯バナナライスプディングの3品を提供。「スポーツをする人のエネルギー補給に寄与する米メニューを提案した」としている。

 登壇者による米のグローバルトレンドや現状に関する報告要旨は以下の通り。

△橋本玲子氏(㈱Food Connection代表、管理栄養士、公認スポーツ栄養士)
 タンパク質が重要視されがちなアスリートの食事において、「エネルギー不足を補う炭水化物の重要性を見直し、運動強度に合わせた摂取が求められる。炭水化物の中でもコメは消化・吸収速度が速く、素早くエネルギーに変わるため、運動前後の補食に適している。」
△月岡美由紀氏(管理栄養士、IOCのディプロマ取得)
 炭水化物摂取の最適化がアスリートの低エネルギー改善、パフォーマンスアップの鍵となる可能性も。イギリスをはじめ欧州では、ヘルシーな日本食への関心からエネルギー補給に米の存在感が増している。
△根本裕理氏(Tuned Sports & Performance Nutrition FZE代表、英国AFN登録栄養士)
 ムスリム、特に女性アスリートの栄養管理における、ラマダンなど宗教上の慣習を加味した運動と食事のタイミングの重要性と課題の考察、アラブ圏の主食=米料理の採られ方について。
△ヌワニー・ジャヤラット氏(米国登録栄養士(RD)、アメリカオリンピック・パラリンピック委員会シニア栄養士)
 スポーツ栄養先進国アメリカでは、運動強度別のエネルギー消費に適した炭水化物とタンパク質や野菜他の栄養素の配分を考慮した「アスリートプレート」という考え方があり、実践されている。グルテンフリーで、美味しい・安い・簡単調理の米の利用頻度は増している。

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