◇「食生活・ライフスタイル調査」①食品購入・外食「出来るだけ安価」を重視

 農林水産省は6月28日、令和5年度(2023)「食生活・ライフスタイル調査」結果を公表した。国民運動「食から日本を考える。ニッポンフードシフト」の一環として、消費者の日常の消費行動や、食や農に対する意識、普段の食事の実態等を把握するため、実施しているもの。①4千人を対象としたweb意識調査「定量調査」と、②30人を対象に撮影してもらった1週間の食事の写真を基にした「写真調査」とからなる。膨大な調査結果のため、概要のみ5回にわたって連載していく。第1回は、定量調査その1「日常の情報入手経路と消費行動」。
 それによると、普段の情報の入手経路は「テレビ」と「ニュースサイトなど」が6割強と突出して高い。普段の買物で重視しているのが「同じような商品であれば出来るだけ価格が安いこと」が最も高く、これは食品の購入や外食をする際に重視していることでも同じ結果となった。買物場所では「食品スーパー」が最も高い。「生鮮品や加工食品は国産を選ぶ」や「食料備蓄の実践」はいずれも6割程度だが、「ローリングストックの実践」は4割弱。

〈ふだんのニュースや新しい話題の情報入手経路〉
△情報の入手経路は「テレビ」が6割強と突出して高く、2番目が「家族や友人との会話」の3割強、次いで「新聞」の3割弱だった。インターネット関連では「ニュースサイトなど」が6割強と高く、「テレビ」と同程度の割合だった(ただし調査手法がweb経由であることに留意が必要)。この傾向は、令和3年度(2021)から大きな変化が見られない。
△男女とも「テレビ」、「新聞」などは高い年代ほど高く、若年層と高齢層の差が大きかった。男性は、インターネット関連では「ニュースサイトなど」が若年層より45歳以上で高いが、「YOUTUBEなどの動画投稿サイト」と「SNS」が54歳以下の年代で高かった。女性の若年層は「SNS」の割合が5割と高く、34歳以下の年代では「新聞」の低さが目立った。

〈ふだんの買物で重視すること〉
△全体で「同じような商品であれば出来るだけ価格が安いこと」を重視する割合が最も多く、「できるだけ日本産の商品であること」は2番目だった。この傾向は、令和3年度(2021)から大きな変化が見られない。
△全体で最も高かった「同じような商品であれば出来るだけ価格が安いこと」は、男性の65~74歳で最も高かった。「できるだけ日本産の商品であること」も男女とも65~74歳で最も高く、最も低い15~24歳との差が大きかった。女性は「同じような商品であれば出来るだけ価格が安いこと」は年代別に差はなかった。

〈食に関して(食品の購入や外食をする際に)重視していること〉
△全体で「同じような商品であれば出来るだけ価格が安いこと」が「できるだけ日本産の商品であること」をやや上回り、最も多かった。ふだんの買物で重視する点と比較すると大きな違いはないが、「できるだけ日本産の商品であること」は「食」に関する意識の方がやや高かった。
△「同じような商品であれば出来るだけ価格が安いこと」は、男性は年代が高くなるほど割合が大きい。女性は年代別に大きな差はなかった。「できるだけ日本産の商品であること」は、男性は65~74歳で最も高く、女性は高齢世代で高く、5割以上となっている。

〈ふだんの食材や食品・飲料の買物場所〉
△全体で「食品スーパー」が約8割と最も多く、その他では「大型スーパー」、「ドラッグストア」、「コンビニ」の順でそれぞれ3~4割前後だった。インターネットでの購入は「大手専門サイト」が2割だった。
△男性の65~74歳は、「食品スーパー」での購入が8割以上、「大型スーパー」も約5割で最も高かった。女性は、「食品スーパー」が全年代で6割以上あり、特に55~64歳が最も高かった。女性の15~24歳は、「コンビニ」が他の年代と比較すると最も高い一方、「大型スーパー」は低かった。
△居住エリア別では、「大型スーパー」は『北海道エリア』が高く、『四国エリア』が低かった。「ドラッグストア」は『関東エリア』と『近畿エリア』が他のエリアと比べて低かった。

〈『生鮮品』と『加工食品』に対する国産意識〉
△『米、野菜、精肉、鮮魚などの生鮮品はできるだけ国産品を選ぶ』は、全体で「非常にあてはまる」が約3割、「まああてはまる」は3割強となり、合わせて6割だった。『生鮮品以外の加工品』は『生鮮品』よりもやや下回るが、「非常にあてはまる」は2割、「まああてはまる」は3割強となり、約5割だった。令和3年度(2021)から国産意識はやや減少傾向が見られる。
△生鮮品、加工品ともに国産意識は、男女とも高齢層で高かった。
△居住エリア別では、生鮮品で『四国エリア』の「非常にあてはまる」が他のエリアよりも高かった。加工品は大きな差がなかった。

〈食料の備蓄状況〉
△全体で「何かしらの備蓄を行っている」は6割だった。備蓄しているものは、「飲料水」が最も高く、次いで「カップ麺、即席めん、乾麺」、「お米(精米、無洗米、パックご飯など)」、「缶詰」、「レトルト食品」だった。この傾向は、令和3年度(2021)から大きな変化が見られない。
△「飲料水」、「カップ麺、即席めん、乾麺」、「お米(精米、無洗米、パックご飯など)」、「缶詰」を備蓄している割合は、男女とも65~74歳の高齢層で高かった。

〈ローリングストックの認知・実施状況〉
△「考え方を知っており、実践している」は23.4%、「考え方を知らなかったが、このようなことは実践している」は13.6%と、合わせて37.0%だった。それに対して、「考え方を知らないし、実践もしていない」(14.6%)、「よくわからない」(24.1%)の合計は38.7%と全体の4割を占めている。令和3年度(2021)から大きな変化は見られないが、「よくわからない」が微増している。
△「考え方を知っており、実践している」の割合は、男女とも高齢層が高かった。

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