米油
2024/6/05/ 19:25
こめあぶら。米糠から抽出される植物油のこと。玄米ではなく米糠を絞るため、「米糠油」が正しい表現なのだが、「米油」で通っている。日本で流通するうち、原料を国産で賄うことのできる唯一の植物油でもある。
また米油は、他の植物油と異なり、栄養価の高さという点で評価が高い。例えば植物油のなかで、血中コレステロールを下げる効果が最も高い。またオレイン酸の比率が高く、ビタミンEを多く含んでいることから、加熱による酸化が起きにくい。このため日本で製造されるポテトチップスのほとんどが米油を配合した油で揚げられている。
ただし米油は、扱いにくく手間のかかる植物油でもある。例えば米油の原油は多量のワックス分を含んでいるため、精製には強力な脱蝋装置が必要になる。そうした手間以前の問題として、例えば輸入に頼る大豆油などに比べると、国産米を原料とする米油は、明らかにコスト高。このため米油の普及率は上がっていかないのが現状だ。