◇ 高知食糧×東洋ライス×高知・香南市「包括連携協定」、金芽米で健康増進など図る

 高知食糧㈱(高知県高知市、山﨑大輔社長)、東洋ライス㈱(東京都中央区、雜賀慶二代表)、高知・香南市の3者は1月20日、包括連携協定を締結した。「香南市産米を活用した農業振興、健康増進や食育の推進などを通じた地域社会の発展」を目的としたもの。同日、3者は香南市役所で調印式を行った。
 協定に基づき、東洋ライスは香南市産米を「金芽米」「金芽ロウカット玄米」に精米、高知食糧は流通部分を担う。まずは妊婦に金芽米を提供する「マタニティ支援」を想定しており、将来的には、学校給食や高齢者への提供も検討していくという。

 調印式後の記者会見で濱田豪太香南市長は、これら施策の実現には、「東洋ライスとの物理的な距離が課題の一つ」だと述べた上で、課題解決には高知食糧の役割が大きいと言及。東洋ライスと包括連携協定を締結するのは、香南市が「四国で初めて。というのも、やはり距離の影響は大きい。それを高知食糧さんが補うことで、スピード感も出る。また我々の意見を高知食糧さんを通して、東洋ライスさんに伝えることもできる」と語った。さらに「それぞれの視点で互いを補うことで、相乗効果を生み、香南市民の福祉向上に繋がる」と、3者による協定の意義を訴えた。
 高知食糧の山﨑社長は、事業での役割を、スタート時は「東洋ライスさんから商品を預かり、香南市に安定供給していく」と説明。将来的には「加工施設の導入などを検討する」との考えを示した。

 東洋ライスと自治体による包括連携協定は、全国8例目。民間の米穀卸が入るのは「初」となる。東洋ライスの雜賀社長は、この協定で「最も感謝されること」として、収穫前から行政が「買い取り」を確約する点を挙げた。生産者は「業者に買い叩かれることがない」ことから、安心して米生産ができると、地元の農業振興への寄与度の高さを強調した。協定における連携項目は以下の通り。

(1) 農業振興に関すること
(2) 市民の健康増進に関すること
(3) 食育に関すること
(4) 地産地消の推進に向けた取り組みに関すること
(5) 防災(非常時の食糧提供)に関すること
(6) スポーツ振興に関すること
(7) 環境保全に関すること
(8) その他前条の目的を達成するために必要な取組に関すること

 左から、東洋ライス雜賀代表、濱田市長、高知食糧 山﨑社長

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