届出業者

 とどけでぎょうしゃ。行政用語。米穀を集出荷または販売する業者のこと。令和5年(2023)3月末現在、全国の届出業者数は6万9,216業者。
 逆に言えば、米穀を集出荷または販売したいと思ったら、届出を(地方農政局などに)出さなければならない。届出を出さずに米穀を集出荷または販売すれば、食糧法違反となる。ただしこの届出業者、事業規模(年間の扱い量)が20精米t未満の業者は、対象にならない。つまり年20精米tまでなら、届出を出さなくても集めたり売ったりしていいことになる。
 一見、厳しい制度のように聞こえるかもしれないが、かつては「登録」制度だったし、さらにその前(食管時代)は「許認可」制度だったことを思えば、ほとんどあってないような制度と言える。
 そもそも届出は、平時の流通規制が原則全廃された改正食糧法施行の際、あくまで「緊急時に(行政が)適切な命令を発動できるよう、平時から存在だけは確認しておく必要がある」ことから、登録制度に代わって設けられた仕組み。何らかの義務づけがあるわけではない。ただし、当然のこととして帳簿の備付け・記載の義務があるのと、年間扱い量5,000t以上の届出業者には毎月の相対取引契約数量・価格の報告義務がある。

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