深水栽培

 ふかみずさいばい。水田で深い水深を維持する栽培方法のこと。
 田植後なら、一番上の葉の葉耳の位置を目安として次第に水位を上げ、出穂40日前頃まで10~15㎝の水深を保つ。
 ほかにも、幼穂形成期から減数分裂期にかけて(出穂25日前頃~8日前頃)水深を深くすることで幼穂を低温から守る冷害対策としての深水栽培、分蘖最盛期になってから深水にすることで過剰分蘖を抑える深水栽培などもある。
 茎を太くしたり、穂揃いを良くする効果があるため、倒伏しにくく、登熟の良好な大きな穂を期待できる。また雑草(主にヒエ)抑制効果もあるため、除草剤軽減農法としても基本技術の位置づけにある。
 ただし深水栽培は維持・管理が大変。深い水深を維持するためには、それだけ高い畦を作らなければならず、その管理も容易ではない。水位が高い分、ミミズやオケラが畦に穴を開ければ水がどんどん漏れていく。深水栽培には、こまめな見回りと、迅速な畦の補修が不可欠なため、兼業農家が好む農法ではない。

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