自主流通米

 じしゅりゅうつうまい。死語。昭和44年産米から誕生した行政区分上の流通玉の略称。国(政府)が直接買い入れ、売り渡す政府米と異なり、「国が関与しなくとも〝自主〟的に〝流通〟する〝米〟」の意味で登場したのが自主流通米で、これと区別する意味で政府米という単語が誕生した。
 だが当初の自主流通米は、概念上の国の関与を省いただけで、流通ルート規制に縛られ、価格も「生産者米価(消費者米価)に準じて」といった規制が設けられていたため、実態としては国の仕事を民間が肩代わりしただけにすぎなかった。
 その後、流通規制が段階的に緩和されていくにしたがい、自主流通米は「計画流通米」に名称を変更。平成16年(2004)4月1日から施行された改正食糧法によって平時の流通規制が完全撤廃されると、自主流通米は名称としても実態としても、その役割を終えた。
 現在では政府米以外の米穀を指す単語が存在しない(便宜上、『民間流通米』などと称されることがある)。

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